水晶体(目の中のレンズ)は本来透明な組織で、目の奥に十分な光を通します。 さまざまな原因で、水晶体が濁った状態を「白内障」といいます。
白内障になると、かすんで見えたり、まぶしく見えたりします。
他に、暗くなると見えにくくなったり、2重~3重に物が見えたり、一時的に近くが見えやすくなったりします。
水晶体の後ろにある後嚢付近が濁るため、初期段階からまぶしさやかすみを感じます。
進行が早く、夜の運転が難しい、逆光で人が見えにくいなどの訴えが多いようです。
最も多いタイプ。
周りから混濁してくるため、白内障が進むまで自覚症状は強くありません。
水晶体の核が硬くなり濁ってくるが、濁り方の割に自覚症状が乏しいことが多いようです。
近視化したり、暗く見えたり、2重~3重に物が見えたりすることがあります。
50歳をすぎて、メガネの度がたびたび変わる人には核白内障の方が多いようです。
白内障手術は、早くて、安全で、効果的と宣伝され、年間140万件もの白内障手術が日本で行われています。
しかし、手術については、早ければよいなどと安易な考え方は禁物で、最近では、目に優しく、いかに丁寧に手術を行うかが重要と考えられています。
私達も原点に戻り、患者さんにベストの状況で手術を行うことを目指しております。
「眼内レンズ」は、若い健康な水晶体のような調節力はありませんが、レンズの度数を調整することによって、遠く、中間、近くのどれかにピントを合わすことができます。
ただ、メガネのように試しがけができないため、眼内レンズの度数の決定は、慎重に行う必要があります。
通常は、テレビくらいの中間距離(生活距離)に「眼内レンズ」の度を合わせます。
日常生活で、さほど眼鏡を必要とせず、細かい文字を読むときや運転の時のみ眼鏡をかけるという状況になります。
「眼内レンズ」の度数を、近視になるように設定することもあります。もともと近視が強い人、近業が多い人などは、近くがぼけるのを嫌う傾向があり、 30cmなり1mの距離に度数を合わせます。
手術をしない方の目とバランスを合わせることも必要です。
手術後に、眼鏡で矯正しようとしても、左右の眼鏡の度数の差があると、大きさが違って見えることがあり、不都合が生じます。
バランスをとるために両眼の手術を行ったほうが良い場合もあります。
「眼内レンズ」の度数は、手術前に測定された角膜のかたち(角膜曲率半径)と目の長さ(眼軸長)をもとに計算します。
度数計算は以前より正確になりましたが、それでも毎回ぴったり予想通りになるとは限りません。
視力が出にくい場合は、眼鏡で調整します。
大きく度数がずれている場合は、眼内レンズを入れ替えたり、LASIKなどの方法で矯正することができます。
当院では、IOL Masterなど最新の測定機器を使用していますが、眼内レンズ計算には限界がありますのでご了承ください。